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日本で散々非モテ人生を歩んだきゃとらにはこれが最後の手段とばかりにハワイはブリガム・ヤング大学(BYUH)に婚活留学を決めました。
そしてある時大学カフェテリアで初対面にもかかわらずけた外れにフレンドリーなロシア(仮名)に出会います。
余りにも好意的なロシアの様子にきゃとらには「もしやロシアきゃとらににナンパか?」と態度を硬化させますが、実はロシアは日本語を教えてくれるヒトを探していたことが分かり、うぬぼれた自分を厳しく戒めたのでした。
その後☟
何と1問目で宿題放棄
そしてどこから取り出したのか彼の写真アルバムを見ることになってしまいました。それからは2~3時間ほどのロシア劇場。彼の生い立ちから半生までロシアが語り尽くした頃、外はとっぷりと日が暮れていました。そしてロシアは現れたときと同じどこか夢見るような表情で去っていったのです。
「なんだったんだろ?」
きゃとらには呆然とその場に座り込みロシアの恍惚に満たされた表情を思い返していました。ロシアは一体何にそんなに満足したんだろう?結局ロシアと過ごした今日の数時間は何だったんだろう?その答えをきゃとらには翌日以降に知るのです。
というのもロシアは毎日ランチ時にきゃとらにの目の前に現れるようになりました。カフェテリアを訪れるスケジュールは毎日バラバラにもかかわらずロシアは欠かさずきゃとらにと食事をとるべくカフェテリアにやってくるのです。
そしてお互いにバイトがある日以外、一度ロシアにつかまると午後いっぱいはロシアに捕まることになってしまいました。ある時は量の共有ラウンジで、またある時は、キャンパス内の緑燃える芝生の上でロシア劇場。そんなきゃとらににルームメイトのベロニカは何の感慨もなく
「良く付き合えるね」
とだけ言いました。それほどきゃとらにの生活はロシア尽くしだったのです。きゃとらにはそんな毎日を楽しんでいた…かどうかイマイチ分かりませんでした。恋愛経験のないきゃとらににはロシアの行動の意図が取りあえず分かりません。ならなぜきゃとらにはロシアに毎日付き合ったのか。
断る理由がなかった。チャラ男のような発言ですが、話にとめどないという一点を除けばロシアは大変好青年だったため、彼がよせてくれる好意(その種類はさておき)を無下にすることは非常に気がひけたのです。それにロシアに限らずキャンパスで出会った欧米人は得てしてにパーソナルスペースが狭く、カジュアルなお付き合いにおいても「あれボディータッチ多くないですか?」みたいなことはしょっちゅうでした。なので日を重ねるうちに、ロシアの最初は過剰に思えたフレンドリーさも気にならなくなりました。言うてもどうせお互いただの友だち。そう思ってたのです。
ところが、それはある日急に変わりました。ロシアと合って2週間ほどたったある日、その日のロシアはきゃとらにをビーチへと連れ出しました。と言っても歩いて10分程した所にある近所のビーチ。しかしたかが近所のビーチと言えどそこはハワイのビーチ。腐っても鯛(?)なのです。日が傾きかけていたその時間は太陽が空と海両方をオレンジとピンクのグラデーションに染め上げていました。そしてそのようなムードですから当然…見渡す限りカップルだらけ。
ムードたっぷりのビーチ
恋に浮かれるカップルたち
そして自分の隣にはおもむろにきゃとらにの手を取るロシア
本来ならこう感じるのが正解だったかもしれません
(※画像はイメージです)
しかしコレが実際のきゃとらに
無
よく少女漫画では主人公の少女が一瞬のうちに、または極々短期間で恋に落ちる様子が描かれます。恋愛を知らないきゃとらにはそんな瞬殺の恋に多かれ少なかれ憧れているところがありました。しかし少女漫画のごとくはじけるような恋は、たそがれ時のハワイのビーチをもってしてもかないませんでした。
うん、無理。何が無理って、ロシアの怒涛のようなおしゃべりとか、申し合わせてもいないのにカフェテリアに現れることとか、最初からなれなれしかったとかそういうことではなく、短期間で一方的に押し寄せてたロシアからの思いを受け止めきることが無理だった、そんなところだと思います。相手の溢れんばかりの好意にきゃとらにはキャパオーバーを起こしたのです。
一瞬で恋が芽生える少女漫画のような恋愛は、
どうやらきゃとらにには向いていないようでした。
きゃとらに🐈
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