みなさまこんにちは。2017年になり早くも10日以上経ちましたね。新年と言えば新しい目標。みなさまの中には今後の教育やキャリアのため「英語を習得したい」、もっと言えば思い切って「語学留学をしたい」と思っている方もいらっしゃるかと思います。
実はきゃとらには語学留学(アメリカ本土)と大学留学(ハワイ)をそれぞれ経験しました。
☟きゃとらにの大学婚活留学体験記
確かにアメリカでは貴重な体験をしましたし、一生大事にしたい出会いもたくさんありました。夫との出会いもその一つです(婚活成就!)。その体験や出会いがあったからこそ英語学習を楽しく続けられて、帰国後就業に際し必須とされたTOEIC900点以上も取れましたし、語学学校講師や語学学習プログラム構築に携わるお仕事にも恵まれました。
それでも「語学留学は英語習得に必須ではなかったな」と思っています。
そもそも「留学なしで英語は上達するよ」という主張自体はみなさんにとっても特に目新しくもなんともないと思います。世間には留学なしで英語を身につけた達人たちが多数いらっしゃるからです。

英語は日本語で学べ! ---留学なしで話せるようになった私の“現実的な"学習法
- 作者: 多田佳明
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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どんな話題にも英語対応できるよう、日常生活で「これ何て言うんだろう?」と思ったものはノートに書き込み後で辞書で調べるようにしているという達人。下記記事に添付されていた実際のノートの写真を見ると『ファンのついたオーブン』などもメモされていました。文字通りどんなものでも網羅されていて驚き!
英会話に必要なのは英語だけじゃない!Junさんにインタビュー (PART 1)〔#482〕
アメリカ人の奥様Rachelさんとのやりとりが微笑ましいJunさんの動画。「何だアメリカ人の奥さんいるんだから上手なのか」と思ってたら、Junさんはどうやら奥様に出会う以前から日本で英語ぺらっぺらになったんだそうです。その方法を上の動画内で紹介しています。Junさんの流暢な英語も聞けますよ。めっちゃ発音きれいです!
こうした達人の成功体験は非常に勉強になります。ただ今回は世の中の達人たちが「無意味!」「お金の無駄!」と一刀両断してきた英語を学ぶための留学というやつをやらかしてしまった立場で何がどうダメだったのかを経験を交えて書きました。
英語学習や留学を検討する上で「あーこんな人もいるんだなぁ」程度に参考にしていただければ幸いです。
注意
・あくまで個人の体験・感想です
・言語学習の中でも英語に特化した内容です
目次
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留学前の状況
・英語が大の苦手
・センター試験の英語を全問勘で解く(結果正答率50%と撃沈)
・留学前英語学習時間ゼロ
留学で得たもの
・相槌だけは上手くなった
・対日本人のコミュ力がアップした。これは『外国で暮らす日本人同士』というだけで結束し、普段日本で暮らしていればお近づきにならないような人とも親しくするようになるため
・日本食に関する現地情報(日本食レストランや日本食スーパーなど)
つまりこれらをまとめるとお手軽且つ何となくそれっぽい会話表現を習得し、現地での生活に慣れたことで英語は相変わらず大して喋れないけど『喋れる風』にだけはなったということです。
もしや語学学校に行くだけじゃ喋れるようにならない?
渡米前きゃとらにはアメリカへ行き、現地の学校に行きさえすればあとは半年から1年ほどで自然に英語が話せるようになると思っていました。
そんなお気楽なきゃとらにでしたが、アメリカ滞在5カ月後、きゃとらにの英語コミュニケーションレベルは、肌感で40%~50%程度の英語聞き取り精度(話題によっては30%以下)と3単語で構成される単発フレーズによる会話力。
正直予想外の結果でした。
あまりの上達のなさに「こんなはずでは!」と不安に駆られるきゃとらに。当時の状況から残り1カ月から半年そこらでペラペラになれる自分がまったく想像できなかったのです。そう思っていたところへこんなことがありました。
この話を聞いて予感は確信に変わりました。
「語学学校に行ってるだけでそのうち喋れるようになる」は幻想だった!
ちなみにひろさんは脱サラして大学院受験を目指していた真面目な生徒さんでした。そのひろさんでも2年間同じレベルを履修している!
じゃあ、ダラダラやってる自分は一体何年かかるんだ!英語を習得する厳しさを思い知り気が遠くなった瞬間でした。
語学学校に行っているだけじゃ英語習得できなかった理由
語学留学をするにあたり、『語学学校や海外生活がわたしを英語ペラペラにしてくれるはず』というきゃとらにの受け身な態度は上達をスローダウンする一番の原因といってよかったでしょう。しかし要因は加えてもう3つありました。
①現地語学学校の教授法は英語初級者向けじゃなかった
きゃとらにが通った語学学校には当時『Reading(読み)』『Grammar(文法)』『Writing(書き)』『Listening/Speaking(聞く/話す)』コースがそれぞれレベル別にありました(https://elc.byu.edu/ ※現在はコースが再編成されています)。
・Reading(読み) & Grammar(文法)クラス
語学学校での授業開始後しばらくして気付いたのですが、『Reading』『Grammar』クラスの授業は日本と同じレクチャー形式、内容も中学・高校で履修したものと同じでした。唯一違うのは授業が全部英語だということ。日本で聞いてワケ分かんなかったものを今度はワケ分かんない英語で聞こうという正にチャレンジ。
生徒は終始講師の言うことを一言一句電子辞書で検索するので精一杯でした(きゃとらには電子辞書持参すらしていませんでした)。
文法は会話の骨格を成す重要な要素で習得は必須。だからやはり母国語で解説を受けた方がいいなぁと思うに至りました。とは言えきゃとらにのように中学・高校の授業はイマイチ自分にしっくりこなかったんだよ、という方もいるかと思います。そんな方でも最近は分かり易い参考書が種々市販されていますので自分に合った文法学習を容易に母国語ですることができます。
・Writing(書き)クラス
Writingクラスの主な内容は英語論文の書き方。…ってアメリカ人ネイティブスピーカー基準で幼稚園レベルの語彙力・英作文力すらもたないきゃとらにに英語で論文を書けですと!提出したペーパーは毎度赤ペンの修正だらけで 返却されました。
荒ぶる赤ペン先生!
それにしても1クラス10数名ずついたにもかかわらず生徒全員のペーパーに丁寧な赤を入れていた先生の根性ですよ!でもせっかくの説明も全部英語だからワケ分からん。マニアックな文法用法を英語力幼稚園以下のきゃとらにに説明するのは例え先生といえど無理なのです。
このWritingクラスに関してですが、一度に3単語をつなげるのが限界だったきゃとらにがまず学ぶべきだったのは論文の書き方以前、もっと初期段階の英作文だったなぁと思います。この英作文の練習をしていればSpeaking力も相乗効果で向上していたのではないでしょうか。なぜならSpeakingとは紙に書くことなく頭で素早く英作文をして発話する行為、言い換えればWritingの高等スキルと言えます。逆を言えば書けないことは話せない、のです。
あと、英作文の解説も文法と同じく母国語で受けた方がいいなぁと思いました。そうした方が理解も深まるし、間違いも修正できるので結果的に上達が早まるからです。
・Listening/Speaking(聞く/話す)クラス
冒頭10分ほどのクラスメイトとのフリートークと生徒各自交代で行う母国文化の紹介プレゼンで構成されたこのクラス。記憶する限り一番リラックスして楽しいクラスでしたが、講師によるプレゼン内容の事前チェック・校正が特に義務付けられていなかったため生徒のほとんどがブロークン且つフリーダム過ぎる英語を60分披露するというカオスな結果に。
折り紙で薔薇の折り方を紹介したある生徒は「Do this.」と「Do that.」のみでこのプレゼンを乗り切るという伝説を残しました。それだけで60分ももつの?と疑問に思ったあなた。ドントウォーリー。薔薇の制作方法・工程があまりにも複雑だったため「分からない」「出来ない」と悲鳴を上げる者が続出(きゃとらに含む)。結果60分を余裕で越え挙句に放課後までくい込みました。
率直に言って楽しかった思い出だけが残ったクラス。えっと、折り紙の薔薇は作れるようになったよ?
このように講義・解説含めて授業が全部英語で行われたり、文もロクに作れないのに論文を書く課題が出たりと、教授法がきゃとらにの英語レベルには合っていない印象を受けました。
②ネイティブスピーカーは必ずしもベスト・ティーチャーとは限らない
日本で英会話スクールの講師をやっていた際「絶対ネイティブスピーカーの講師から教わりたい」という生徒様にちょくちょくお会いしました。経験から言うとネイティブスピーカーとの実戦練習はかなりおススメです。というのも英語学習者によくあるのが、『英語を母国語としない外国人とは緊張せずに喋れるのに、ネイティブスピーカーとは硬くなってしまい上手く話せない』という現象なのです。
なのでネイティブスピーカーとの会話実戦練習・経験はなるべく多く積んだ方が緊張感にも慣れますし、自信もつけることが出来ます。
ところが①でも述べたように、Grammar・Reading・Writingなど詳細な説明を必要とする場合は別です。母国語で聞いた方が絶対分かり易い。
それだけではありません。きゃとらにが語学学校で受講していたGrammarクラスでよくこんなことがありました。
赤木さん(仮名)は純日本人の職員さんでネイティブスピーカーではありません(しかも講師ですらありません)。しかし自分で答えられない質問が生徒から寄せられるとGrammarクラスの先生は決まって赤木さんに尋ねていました(そして必ず答えを知っている赤木さん)。
赤木さんがわれわれと同じく英語を第二言語として学習したからこそ、われわれの持つ疑問が理解できるし、その答えを知っていたのでしょう。
ネイティブスピーカーはロジックを学習することなく感覚で英語を習得しているため文法を体系的に教えられないことがあります。これは日本人であるきゃとらにが日本語文法のロジックを知らないのと同じです。質問されても「これはこういうものなんだよ(よくこんな質問考えつくなぁ)。」としか言えないのです。
そういう意味でも自分と同じ母国語を話せて、尚且つ英語を第二言語として習得した講師から解説を受けるのはメリットだと言えます。
③日本人とばかり仲良くしてしまう
英語でコミュニケーションに苦戦する日々を送っていると、母国語でスムーズなコミュニケーションをおこなえる有難さが改めて身に沁みます。そんなわけで同じ境遇の日本人留学生とはとても仲良くなります。ただ日本人だからというだけでなく、語学を学ぶ苦労を共有するからこそ、互いに共感し深い親しみをもちやすいのです。
すると気が付いたら結構な時間を日本人の友だちと過ごしていた、なんてことが起きます。
日本人の友だちと親しく付き合うことは、慣れない言語を話すことで溜まりがちなストレスやジレンマから解放されるという良いことある一方で、あまりにも多くの時間を日本人の友だちと過ごせば当然それだけ英語を実践する時間は減ってしまいます。
平日の放課後、週末と余暇のほとんどすべてを日本人の友人たちと過ごしていたきゃとらにはある日「あれ?これ日本にいたときとほとんど変わらなくないか?」と思いました。
学校は英語によるコミュニケーションに必要な知識は授けてくれます。
しかし知識とは筋肉のようなもので使わなければやがて失われてしまいます。 現にきゃとらには大学在学中に散々見聞きした専門科目の単語の多くを今では忘れてしまっています。
筋力を維持・強化するために定期的な運動によって筋肉をはたらかせる必要があるように、
英語力を維持し、強化したければ、英語を繰り返しインプット・アウトプットするのを習慣化することが必要不可欠なのです。なのでもしそれをやらなければ例え日本だろうと、アメリカだろうと英語は上達しません。それはつまり、逆にそれさえできれば、場所は日本でも構わないということでもあるのです。
まとめ
上記経験から以下の場合、語学留学の効果を最大化できないと感じました。
2.学習者の母国語で論理を解説できる講師がいない場合
3.学習者が母国語を話すことに留学生活の時間の大半を費やしてしまう場合
また以上を踏まえて英語上達のエッセンスは(今回は登場しませんでしたが)ボキャブラリー習得という基本に加え以下の3つであると考えました。
ii.英作文の反復練習
(口頭での実践:ネイティブスピーカーと、解説・質問:母国語で)
iii.上記学習の習慣化
で、ここまで考えた末、タイトルの結論に至ったんです。
これ、日本でできたよね?
別に語学留学必要なかったよね?
☟留学前のきゃとらに
ぶゎっかもーーーーん!!
留学前に英語を身につけておけばもっと友だちを沢山つくれたし、話ももっと聞けたし、現地の文化ももっと学べたし、実際の何十倍もアメリカ滞在楽しめただろーー!
もったいないぞー!
できることならタイムマシンで留学前の自分に会いに行ってそう伝えたいくらいです。
「語学留学に行ったのに日本語の1/3も英語で意思疎通できないままあっと言う間に5か月が過ぎたよ!」
って肩をゆすって吞気に構えていた自分の目を覚まさせたいです!
ですから「今は英語喋れないんだけど一念発起して語学留学しよう!」と思っているみなさま、
・英語は国内で習得できます
・海外体験はむしろ英語を身につけてからの方が格段に楽しめますし効果的です
というきゃとらにの経験、未来の自分の代わりにきゃとらにが語っていると思ってご参考にしていただければ幸いです。
とはいえ英語学習も海外体験も十人十色。みなさまそれぞれに合った学習法、海外体験に出会えますように。
きゃとらに🐈
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