※この記事は2018年5月30日に作成し、2018年5月31日に追記しました。
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こんにちは🐈
みなさまが怖いものと言えば何ですか?
地震雷家事親父
人が恐怖するものには色々ありますが、わたしの場合は、「批判」です。
似てねー
ビビってます。
ブログや漫画を書く時は、かなり神経を尖らせます。
もうそりゃ引くほどに。
ブコメもコメントも、場合によっては恐々拝見します。内容が否定的じゃなかったら、崇め奉る勢いで感謝します。もうほとんど病気ですね。
もし夏にわたしをビビらそうと肝試しをするなら、夜の旧校舎や、元病院、自殺名所付近を歩かせるよりは、炎上必至のトピで一記事書かせる方が100万倍効果的です。
とはいえ、これだけビビって物書いてますから、そんな強い主張なんてめったにしません。よって、お気づきかもしれませんが、言うほど批判もされません。
それがたまにちょっと批判されただけで、ぺっそぺそ の へっちょへちょ になるんで我ながら困っています。
豆腐メンタルにもほどがあるだろう、と。
そこで今回はそんな批判への恐怖心を克服すべく、原因や、対処法となる心構えなど、調べてみました。
もし、役立てていただけるなら幸いです。
一緒に鋼のメンタルを精錬しましょう!
批評・批判・非難の違い
ネット上では一口に「批判」「ネガコメ」などと表現されやすい非肯定的な情報ですが、実は、その性質次第では意味が変わるようです。
次のように分類できます。
ひ‐ひょう〔‐ヒヤウ〕【批評】
[名](スル)物事の是非・善悪・正邪などを指摘して、自分の評価を述べること。「論文を
批評 する」「印象批評 」
[用法]批評・批判――「映画の批評(批判)をする」のように、事物の価値を判断し論じることでは、両語とも用いられる。◇「批評」は良い点も悪い点も同じように指摘し、客観的に論じること。「習作を友人に批評してもらう」「文芸批評」「批評眼」◇「批判」は本来、検討してよしあしを判定することで「識者の批判を仰ぎたい」のように用いるが、現在では、よくないと思う点をとりあげて否定的な評価をする際に使われることが多い。「徹底的に批判し、追及する」「批判の的となる」「自己批判」
↑批評の特徴は 「客観的であること」、そして「良い点・悪い点両方を指摘すること」のようです。
ひ‐はん【批判】
[名](スル)
1 物事に検討を加えて、判定・評価すること。「事の適否を批判 する」「批判 力を養う」
2 人の言動・仕事などの誤りや欠点を指摘し、正すべきであるとして論じること。「周囲の批判 を受ける」「政府を批判 する」
3 哲学で、認識・学説の基盤を原理的に研究し、その成立する条件などを明らかにすること。
↑批判の特徴は、批評からもう一歩踏み込み、「よしあしを判定すること」が含まれます。否定的な評価をすることに、より意味の重きが置かれるようになったのは現代になってからのようです。
ひ‐なん【非難/批難】
[名](スル)人の欠点や過失などを取り上げて責めること。「不実な態度を―する」
↑見たままです。
批評と批判が似通ってます。かなり大雑把ですが一覧で比較するとこうなるかも。
なので、受け手の態度としては
【批評・批判】
客観的に検討されている分、例え否定だとしても受け手のためになる可能性大。
耳が痛くとも一考の価値あり。
【非難】
個人的な意見。批評・批判ほど客観的検討が十分になされてはいない。
よって「そういう考え方もあるんだな~」と異文化に触れるような気持で相対するのが吉。
…という感じで臨むといいのでしょうか。
ただし、例え否定を特性別に正確に仕分けできたとしても、それを受け止める時のズーンと沈み込む気持ちが上手くコントロールできない時ってありますよね。わたしなんかは、大体いつもそうです。
分かるんですけどね、発信者に害意がない時なんか特に。
そこで今度は、そもそもなんで批判に弱いのか、という原因究明に乗り出そうと思います。
※上記では非肯定的な情報を分類しましたが、この記事では便宜上、どのカテゴリーに所属するものも、まとめて「批判」とします。ご了承のほど
自尊心が低いと傷つきやすい?
時々、自尊心の低い人ほど傷つきやすい、ということを耳にします。
「傷つきやすさ仮説(vulnerability hypothesis)」というものをご存知でしょうか(vulnerability hypothesis. Tessler & Schwarz, 1972)?
少々、というかかなり、古いリサーチではありますが、この仮説では、「自己肯定感」と「他者に援助を求めることのできる能力」がどれほど互いに関係しているのかを検証しています。
で、結果は何となく予想がつくかと思いますが、
自己肯定感の低い人ほど、他者に援助をもとめることができない、という説が確立されたそうです。
その背景にある理由は、「自力で問題解決できない」という事実が自尊感情を傷つけることになるため、その事実に対して敏感&防衛的になるから、だとか。
まさに わしやんけ…
ということは、わたしは自尊心が低いってことか(感覚値では既に低い)?
実際に検証してみることにしました。
自尊心テストしてみた!
テストに臨む前に、「自尊心」の定義をおさらいしましょう。
自尊感情(読み)じそんかんじょう
自分には価値があり尊敬されるべき人間であると思える感情のこと。アメリカの心理学者ジェームスによれば、自己概念に対する自己評価の感情であり、自尊感情の高低は「達成度/本人の願望」という式(つまり本人の願ったものがどの程度うまくいくか)によって決まってくるという。 学習行動においては、自尊感情が高い人は困難に出会っても粘り強く努力するが、自尊感情が低い人はすぐにあきらめてしまう傾向がある。 また対人関係においては、自尊感情の高い人は、他人からの賞賛や批判にさほど左右されず感情が安定しているが、自尊感情の低い人は、ほめられるとその相手が良い人に思え、けなされると悪い人に思えるようなところがあり、感情的にも不安定な傾向がある、とされる。
な、なっが。
難しいから、こっちも載っけます!
自尊心
自尊心(じそんしん)とは、心理学的には自己に対して一般化された肯定的な態度である[注 1]。英語のままセルフ・エスティーム(英: self-esteem)とも呼ばれる。
はい、分かりやすくなりました。
というわけで、これからわたくしが、自身の価値をどの程度に感じているのかを数値化して、検証してみます。
ドキドキ。
使用したのは、
Rosenberg 自尊感情尺度(Rosenberg Self Esteem Scale; RSES)というサーベイです(Society and adolescent self-image; Rosenberg M. , 1965)。
自尊感情の測定と言えば、これ!っていうほど有名なものです。
日本語訳版はというと、実は、色んな翻訳版が出ているようで、しかも表現に違いがある、とのことだったので、今回は英語のものを受けてみました。
なお余談ですが、日本語訳版ではMimura & Griffiths (2007)RSESが近年発表されました(https://www.jpsychores.com/article/S0022-3999(06)00506-X/fulltext)。こちらは、英→日翻訳だけでなく、逆翻訳の段階を踏み、さらに日本語表現に直した際の原語との等価性にもこだわって作成されたようです。
こちら(P.262)で日本語版が見れますので、ご興味のある方はぜひ。
Rosenberg 自尊感情尺度
では改めて、サーベイの回答です。
質問は全部で10問。回答の選択肢は以下の通りです。
・strongly agree(強くそう思う)
・agree(そう思う)
・disagree(そう思わない)
・strongly disagree(強くそう思わない)
で、回答ごとの配点が次の通りです。
サーベイには「ネガティブな内容の質問(-)」と「ポジティブな内容の質問(+)」があり、質問の特性によって、配点も変わります。
間違えないよう注意しないとです。
ちなみに、質問番号と質問の種類(ネガティブ・ポジティブ)の配分は以下の通りです。
1) +
2) -
3) +
4) +
5) -
6) -
7) +
8) -
9) -
10)+
では、やっとこさこちらが10の質問事項(英語)です。
1)~5)
1) On the whole, I am satisfied with myself.
2) At times I think I am no good at all.
3) I feel that I have a number of good qualities.
4) I am able to do things as well as most other people.
5) I feel I do not have much to be proud of.引用元:Rosenberg M. Society and adolescent self-image. New Jersey:
Princeton University Press, 1965.
6)~10)
6) I certainly feel useless at times.
7) I feel that I am a person of worth, at least on an equal plane with others.
8) I wish I could have more respect for myself.
9) All in all, I am inclined to think that I am a failure.
10)I take a positive attitude towards myself.引用元:Rosenberg M. Society and adolescent self-image. New Jersey:
Princeton University Press, 1965.
もし試しに受けてみよう、という方で日本語版がお知りになりたい方はこちらを(P.262)ご覧ください(Rosenberg自尊感情尺度の信頼性および妥当性の検討)。
きゃとらにの結果
回答後、点数の合計を出します。
すると…
20点
どうも、
・合計点 20点以下:自尊心が低い(↓)
・合計点 30点以上:自尊心が高い(↑)
ということになるそうです。
むむぅ、やはりか!
一概に言えない部分はあるかとは思いますが、
どうやらわたしの場合、自尊心の低さが批判に対する耐震強度に響いてそうです。
傷つくのは自分の選択によるもの
実は自尊感情の問題とは別に、自分が傷つき安い原因を知る手がかりを見つけました。
教えてくれたのが、心理カウンセラー心屋仁之助さんのこの言葉です。
「誰もあなたのことは否定していない」
「誰もあなたのことは馬鹿にしていない」
「誰もあなたのことは批判していない」
あなたが勝手に批判されたと感じているだけ
です。
引用元:■批判された!!!どうすればいいんだ!/心の痛風の法則 | 心屋仁之助オフィシャルブログ「心が風に、なる」Powered by Ameba
誰かの言葉や行動に傷つくとき、
「〇〇に傷つけられた」
という風に、まるで、「わたしが傷つくようにしむけられた」かのように感じますが、
心屋氏の言葉は、そんなわたしの感じ方に一石を投じています。
実は上記には続きがあって、特にこの言葉にすごく納得しました。
その人は、自分の意見・自分の感想を言っただけ なのです。
その人は、自分の正当性を主張しただけ なのです。
それに対して あなたが、勝手に反応しただけ なのです。
引用元:■批判された!!!どうすればいいんだ!/心の痛風の法則 | 心屋仁之助オフィシャルブログ「心が風に、なる」Powered by Ameba
「あ、そうだな」って思わず独り言がもれました。「そういえば、わたしもそうだな」って。
別に相手を傷つけて、精神的に追い込みたいわけじゃない。
自分の優位性を主張して納得し、納得されたいだけ。
つまり、今までのわたしは自分から進んで傷ついてたのか。
ドMかよ。
わたしの所属する教会の説教にも、このことについて、かなりはっきりした言及がありました。
わたしたちが「自分は傷つけられた」と思いこんだり,言ったりするとき,通常それは,侮辱や不当な扱いを受け,冷酷で軽蔑(けいべつ)的な態度を執られたことを指します。確かに,人々と接するときに行き違いや困惑,非道義的で不寛容な出来事が起き,それによってわたしたちは傷つくことがあります。しかし突き詰めていくと,ほかの人があなたやわたしを傷つけることなど不可能なのです。はっきりと言えることは,ほかの人々がわたしたちを傷つけたと思いこむのは根本的に間違っているということです。傷つくことは,自らの選択であり,ほかの人々や何かがわたしたちに負わせた状況ではないのです。
わたしたちには選択の自由が与えられています。それは,自分で選択し行動する能力です。選択の自由を持つ者として,わたしたちは行為の主体者なのです。つまり,作用する者であり,単に作用される者ではありません。だれか,または何かがわたしたちを傷つけ,怒らせ,苦々しい思いにさせるのだと思いこむとき,選択の自由の持つ力は小さくなり,わたしたちは作用される者へと変化します。しかしながら,わたしたちは作用する者として,不快で感情を傷つける状況にどのように反応するかを選び,行動する力を持っています。
ここでもやはり、「傷つく」という行為が、受け手の主体的な行動であると述べてますね。
しかし、それを「傷つけられる」という受動的なニュアンスで解釈してしまうと、状況を打開する能力を損なうのかもしれません。
まとめると以下のようになるかと思います。
・傷つくのは自らの選択によるもの
・「傷つけられた」という感覚は思い込みな上に、不快な状況に対するポジティブな対応力を削られる
まとめ
これまで調べたことを総合したところ、わたしの豆腐メンタルは次のような魔改造を経て出来上がったものと考えられます。
自尊心が低い
↓
今以上に自尊感情をえぐる状況を回避!
↓
批判を受けると、相手から「傷つけられた 」と認識することに逃げる
↓
受け身なので、状況を打開できると信じない
ただただ落ち込む
↓
一連の行動が常習化し、批判に脆弱豆腐メンタルの完成
このように自尊心の低さが及ぼす影響を改めて思い知りました。
「自尊感情」の意味でも言及していますが、アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームズによれば、「達成度/本人の願望」という式が自尊感情の高さを導き出す図式であるといいます。
もしジェームズの図式を信じるなら、これまでの人生望んだ成功体験を積んでこれなかったことが、低い自己評価につながっているのかもしれません。
恐らく自尊心とは過去の選択と結果の蓄積なので、今高くなくても今後積み重ねていくことが可能な気はします。自尊心向上一日にしてならず。コツコツ積み立てていくことにしましょう。
一方で「傷つかないこと」を選ぶのは、その気があればいつでもトライできそうです。
感情のコントロールって、暴れ馬の調教並みに骨が折れそうですが(そして暴れ馬の調教自体そもそもやったことないですが)。
批判に直面した時、胸をギュッと掴まれるような、一瞬の感情の高ぶりからは逃れられないにしても、その後主体的な態度を貫くことによって傷ついた気持から早く立ち直れるようになりたいですね。
きゃとらに🐈
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【追記事項】
Rosenberg自尊感情尺度3)「nuber」→「number」に修正。