海外からのイラスト制作受注に役立つフォームサンプル【フリーランスイラストレーター】

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やった!海外のクライアントからイラスト受注した!

 

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時々、海外のお客様からイラスト制作の依頼をいただきます

 

初めて依頼がきた時のことは今でも忘れません。とても嬉しかったのを覚えています!

 

ところが、

 

うわーグローバルだ!

インターネットすげー!

 

なんて浮かれたのも束の間。受注完了までに分からないことだらけでした!

 

 

え、契約とかってどうしよう…?

受注にあたり、当時のわたしが困ったのは次の2つです。

 

困ったことその1:契約フロー分からない問題

注文から契約までの一連のプロセス、それが国際的にはどのようにおこなわれるのか、一から調べる必要がありました。

 

一口に海外といっても、地域によりスタイルは様々でしょう(多分)。

果たして、普遍的かつユニバーサルな規範というものは存在するのか

それが分からずアチコチ探しました。

 

結局、国際的なもの、というより、日本のものとアメリカのものを照らし合わせ、オリジナルのものを作りました。

 

 

困ったことその2:英語問題

 

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次の課題は契約までに必要なフォームを全部、国際的な共通言語である英語で準備することでした。

 

英語…時間がかかるよぅ……

仕事絵の制作に突入する前に、随分とエネルギーを搾り取られました

 

 

トラブル回避に必須!スムーズな仕事完遂には最初が肝心

それでも慣れない法律系英語とにらめっこしながら、「見積もり」「契約書」各フォームを作成したのには以下のような意味があります

 

依頼内容を正確に把握し、クライアントの要望に沿ったイラストを制作するため

 

料金や納期など、合意した状態でお互いにとってフェアな契約をするため

 

 

これらは言語にかかわりなく必要な前提です。

 

 

これらの確認が不十分なために、クライアントと制作側の間でトラブルが起きることがあります

 

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よく聞くのは、

・無報酬で何度も修正依頼が発生する

・納品物に依頼内容が反映されていない

・納期が守られない

・イラストの納品は完了しているが料金で合意に至れない

 

ーなどといったものです。

しかし、こうしたトラブルは、事前の確認により回避率を高めることができます

(もちろん100%とはいきませんが)

 

わたしは、この確認作業を入念におこないます。英語という、母国語でない言語を使用するため、日本語の時に比べて誤解が生じやすいからです。

 

幸い、今までご発注くださったクライアントは、わたしの不完全な英語と細かい確認作業に付き合ってくださる親切な方ばかりでした。

 

それどころか、「ここまで自分の要望に寄り添ってもらえて嬉しい」「プロフェッショナルで信頼できる」と言ってもらえることが多かったです。

 

必要事項の事前確認で安心するのは制作側ばかりではないんだな、と思わされます。

 

 

3つのフォーム 

本記事には、普段わたしが仕事絵制作の受注プロセスで使用している、3種類のフォームのサンプルを掲載しました。

 

1)注文書(Assignment Request Form)

2)見積もり(Estimate)

3)契約書(Confirmation of Assignment)

 

上記の英語フォームを探している、という方のお役に立てれば幸いです。

 

また、もし「もっといいフォーマット知ってるよ」という方がいらっしゃいましたら教えていただけると大変うれしいです。 

 

 

 

 

受注までの流れ

「注文書(Assignment Request Form)」、「見積もり(Estimate)」、「契約書(Confirmation of Assignment)」を使用するプロセスは次のようになります。

 

クライアントから依頼連絡を受ける

 

「注文書(Assignment Request Form)」をメール/メッセージにて送付

 記入の上、返信するようクライアントに依頼する

 その際、完成イメージに近い画像も一緒に送ってくれるよう頼むと良い

 

③注文書の記入内容を確認し、「見積もり(Estimate)」を発行する

 互いに記載内容を確認する

 

④見積もりの内容で合意がどれたら、「契約書(Confirmation of Assignment)」を発行する

 両者のサイン入り契約書控えをクライアントへ送付する

 

⑤契約に則り、イラスト制作!

 

 

フォームのテンプレは以下の通りです。

 

 

注文書(Assignment Request Form)

 

注文書は、クライアントの依頼内容を把握し、依頼料金を策定するのに用います

依頼の連絡がクライアントから入ったら、まずは注文書の記入をお願いしましょう。

クライアントは我々がどのような情報を必要としているか明確に知らない場合も多々あります。注文書はお互いが過不足なく情報をやり取りする助けになります。 

 

また、わたしは、依頼内容の説明には、必ず文字だけでなく画像も用いるようクライアントにお願いしています

 

たまに、「お任せします」というクライアントに出会いますが、

「お任せします」ほど信頼してはいけない言葉はないでしょう。

 

もう一度言います

 

「お任せします」を信じてはいけません

 

「お任せします」という言葉は「あなたのセンスで何でも好きなようにやっていいよ」と必ずしもイコールではありません。むしろ、クライアントが、自身で言語化、あるいはビジュアライズできないものを、制作者なら上手く形にしてくれるんじゃないかと期待している、という意図であることが多いです。

 

いや、そんなのエスパーでもない限り無理ですから

 

どんなクライアントにも好みがあり、期待するイメージは必ずあります

 

それを知らずに制作側が自分のセンスのみを頼りに制作してしまった日には、

 

「う~ん、なんか違うw」

 

と修正の嵐です。

 

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はい、わたしの実体験です

 

 

なのでクライアントが完成形イメージを明確に伝えられない場合は、ブレスト(ブレインストーミング)からお手伝いし、少しでも完成形の共通認識を探り出します。

 

または、スケッチの段階でイメージを確定します。

 

この点に於いては、イラストレーターによってやり方が違うかもしれません。

 

やり方はどうあれ、クライアントの希望を的確に理解し、最終的にクライアントに喜んでもらえる作品を制作するのが、注文書を活用する目的です。 

 

 

注文書(Assignment Request Form)サンプル

 

Assignment Request Form 

1. Specifics 

Subject matter:

Number of illustrations in color:

Number of illustrations in black and white:

Format of the final product(jpeg/png/psd)

Other specifications:

 

2. Due Date

Sketches due date:

Final art due date:

 

3. Usage of Art

For use as

For the product or publication named

In the following territory

For the following time period

 

 

注文書(Assignment Request Form)日本語訳付き

 

Assignment Request Form  (注文書)

1. Specifics (詳細)

Subject matter: (依頼タイトル)

Number of illustrations in color: (カラーイラストの数)

Number of illustrations in black and white:(白黒イラストの数)

Format of the final product (jpeg/png/psd):(納品物のフォーマット《jpeg/png/psd》)

Other specifications:(特記事項)

 

2. Due Date(提出期限)

Sketches due date:(スケッチ提出期限)

Final art due date:(完成物提出期限)

 

3. Usage of Art(作品の用途)

For use as(用途)

For the product or publication named(使用商品/出版物)

In the following territory(使用範囲)

For the following time period(使用期間)

 

 

見積もり(Estimate)

通常、見積書といえば以下のようなフォーマットですが、わたしの場合別の形式を使用しています。

f:id:catlani:20180628125615p:plain

参照元:見積書テンプレート | 請求書作成ソフト「MFクラウド請求書」

 

 

契約にあたり、確認・合意を取るべきことが多いため、見積もりの段階でそうした事項も見積書に盛り込むことにしました

 

契約書ってサインさえすればあとは適当に飛ばし読みしがちですが、見積書にも重要事項を記載しておくことで目を通してもらえることも多いです(クライアントによりますが)。

 

クライアントにとっては文字のオンパレードで少々面倒ですが、大事なことなので。

 

その代わり見積書と契約書は、細かい文言を除き、ほぼ同じにしています。

 

 

⇩見積書、契約書の作成に当たりこちらの書籍を参考にしました

Legal Guide for the Visual Artist

Legal Guide for the Visual Artist

 

 

 

 

見積書(Estimate)の記載事項

見積書には次の事項を記載しています。

 

1.委託

依頼に関する詳細情報を記載します。項目は注文書を参照しています。

 

2.納入

納期を記載します。注文書を参照

 

3.利用許諾

使用用途・範囲を記載します。注文書を参照

(サンプルでは、作品をアメリカの出版物に掲載する場合の制約についてもこの項で触れています。この部分は必要に応じ編集してください)

 

4.権利の帰属

サンプルには、「すべての制作物(スケッチなど含む)の著作権はイラストレーターにありますよ」という旨の文が記載されています。著作権を譲渡する場合は書き換えてください。

 

5.対価

依頼料金を記載します。税の負担についてもここで触れます。

 

6.二次的利用

「本契約で定める以外の方法で作品を利用する場合、許可申請してね。追加料金もいただきまっせ」という趣旨のことを記載しています。

 

7.制作経費

「制作に必要なコストは別途クライアントが支払う」という内容です。

モデルや取材が必要な場合などは、料金を含めこの項に記載します。

 

事前に経費の支払いを受けたい時は、特記事項として金額を記載します。

 

 

8.支払期限

請求書発行を起点とした支払期限について記載します。サンプルでは30日以内の支払いを提示しており、超過した場合、10%の月利が発生することになっています。

 

9.着手金

報酬の一部を前払金として支払うようクライアントに提案する場合は金額のパーセンテージをここに記載します。

 

仕事開始時〇%、スケッチ納入時〇%といった具合に、支払いを分散するよう提示することもできます。

 

 10.修正

「修正が必要だったら、本契約のイラストレーターにまず任せてね、勝手に自分たちや他の人の手を加えないでね」という内容です。

 

11.著作権

著作権表記(クレジット表記)を必要とするか否かを記載します。

 

12.著作者表示

作品が複製された場合、また本や雑誌などに使用された場合、著作者名を表示するか否かを記載します。

 

13.キャンセル料

キャンセルした場合の支払料金について記載します。制作途中・制作後におけるキャンセル料が、既定の報酬の何%になるかそれぞれ提示します。

 

14.所有権

デジタルでなく、紙やキャンバスなどのアナログによる制作をする場合、「スケッチを含めすべての作品はイラストレーターにその所有権がありますよだから使用後は返してね」という趣旨の内容です。サンプルでは作品の返却期限を使用終了後30日以内としています。

 

15.免責事項

クライアントの依頼により制作に使用したものが著作権違反などの問題を有する場合、それに伴い発生するクレーム・費用等には、クライアントが対応します、という内容です。

 

16.仲裁

一切の紛争は国際商業会議所の仲裁規則に基づく仲裁によって解決される、というお堅いことが書いてあります 。

 

17.その他

この項では以下の内容について言及しています ⇩

 

・依頼が正式のものとなった場合、見積書の記載事項は当事者、その子孫、また代理人等の間において効力をもちます

 

依頼に関するすべての条項を理解したものとします。

 

本書の条件は書面によってのみ成文化されます。ただし、費用や修正についてはクライアントが口頭で許可できるのとします。

 

・本条項の権利放棄や規定の違反が一度見られたとしても、その後も放棄や違反を容認する、ということにはなりません

 

・本契約における当事者間の関係には日本の法律が適応されます。

(必要に応じ「日本」の部分を編集してください)

 

⇩こちらのページが参考になるかも

kigyobengo.com

 

 

見積書(Estimate)サンプル

 

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契約書(Confirmation of Assignment)

 

内容は見積書とほぼ同じです。詳しい内容は見積書をご参照ください。

末尾にクライアントからのサインをもらうのをお忘れなく。

 

 

契約書(Confirmation of Assignment)サンプル 

 

20180628171606

 

 

まとめ

いかがでしたか?

 

インターネット普及でビジネス取引のボーダーレス化が進む昨今、海外から仕事を受注することは、個人レベルでももはや珍しくはありません

 

 メールでのやり取りなど、カジュアルな意思疎通に関しては、以前よりも頼もしくなったグーグル翻訳が助けになりますが、契約などの公的な文書となると準備にも一苦労ですね。

 

わたしも法律英語には詳しいとは言い切れないので、サンプルに関しても完全ではないかもしれません。不備があったらごめんなさい。

 

ただ一から作ったり探したりするよりは楽だと思うので、自己責任でご利用いただければ幸いです。

 

 

⇩その他契約書の条項を決めるうえで参考になるページ

フリーランスが知っておきたい契約書の書き方&テンプレート | はじめようフリーランス!【クラウドワークス】

 

 

きゃとらに🐈 

 

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